フィルム写真と旅する

地方に暮らす写真好きの旅と日常

夏の川でポートレートを撮る

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夏の川でポートレート写真を撮りました。

夏は海水浴にキャンプ、BBQに花火など、外に出て遊ぶ機会が多くなる季節です。

海、山、川。夏のレジャーはどこへ行くのが一番オススメかと聞かれると「川」ですね。「山の中を流れる川」だと日陰の涼しい場所もあるので、ポートレート撮影には最適です。

夏の川へ向かう

蒸し暑い8月のある日、被写体さんとの会話の中で、

被「今年まだ海も川も行ってないんですよ」「行こうって言い出す人がいなくて」
僕「じゃあ川に行って写真撮ろう」「涼しいし魚も釣れる」
僕「川魚は釣ってすぐ焼いて、塩と醤油で食べると最高に美味しい」
被「わーい!いきましょう!」「魚は別にいい」

という事で川へ行くことになりました。

山の中にある小さな川を目指します。森の息吹を感じる山の中には集落や民家が点在して、自然と人の暮らしを肌に感じながら車を走らせます。

建物ばかりの街とは違って、自然の中に人の暮らしがとけ込んでいる風景があります。山の中へ車を走らせるにつれ、空気も澄んでいきます。

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川でのポートレート撮影

目的の川に着くと、川底まで透き通って見える透明な水が流れていました。天候は曇り。太陽の光が出ていないので、光量をかせぐために絞りを開放寄りに設定します。

絞りはF2.8やF4、シャッタースピードは1/500〜1/250あたりが曇りの日のポートレート撮影に丁度良い設定ですが、絞りF2でピントが合わなくてもそのまま撮っている写真もあります(ISO感度400のフィルム使用時)

開放寄りのぼんやりとした、夢の中のような描写が好きです。中心部からシャープさは消えて、周辺部分に向かってソフトな感じに写る所はフィルムならではの質感です。

白いワンピースに川の水が反射して、被写体さんがぼうっと白く輝いているように見えます。

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背景に自然を入れよう

自然に囲まれた場所でポートレートを撮っているので、人物の背景に川や森の緑を入れて季節感を出すと、写真の雰囲気も一段と変わってきます。

写真を撮った日の、シャッターを切った瞬間にだけ写すことの出来る情景があります。

山から吹く穏やかな風、揺れる木々と葉、静かに流れていく川の水、夏の空気感、晴れや曇りの日の気温、全ては当日にだけ撮れる、宝物のような一瞬です。

いつも人物に寄り過ぎる癖のある人は少し後ろに足を引いて、逆に引きすぎる癖のある人はいつもより2,3歩踏み込んで、人物と背景に入る自然を調整しながら撮ってみましょう。

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川の流れる音、静かに過ぎていく時間

川には僕たちの他に親子連れが何組か来て遊んでいました。山に囲まれた川辺は涼しくて、水に足をつけると冷たくて気持ちいいです。

被写体さんには自由に動いてもらいました。川に入って撮影していると、被写体さんの動きに合わせて川の水も静かに音を立てて流れて行きます。

話をしながら撮るのもいいし、静かな表情を撮るのもいい。条件が揃っているとどんな瞬間もいいものです。表情も動きも特に指定せず、感じるままに撮っていました。

シャッターを切り続けていると、一瞬が音が消えて、時間が止まったような感覚になります。ファインダーから顔を外し、カメラを構えるのを止めて後ろを振り向くと、さっきまでと変わらない、子供達の遊ぶ姿がありました。

僕「今、なにか言った?」
被「ううん、なんにも」

やがて川の流れる音と一緒に、時間も進み始めます。風は静かに緑の葉を揺らして、そろそろ帰る時間だよと知らせているようでした。

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