フィルム写真と旅する

地方に暮らす写真好きの旅と日常

夏の川、日本の原風景

f:id:andtr:20161219103114j:plain

夏の川でポートレートを撮る。海水浴にキャンプ、BBQに花火など、夏は外に出て遊ぶ機会が多くなる季節。

海、山、川。夏のレジャーはどこへ行くのが一番オススメかと聞かれると「川」かなあ。「山の中の川」だと涼しいのでオススメです。

川へ向かう

蒸し暑い8月のある日、被写体さんとの会話の中で、

被「今年まだ海も川も行ってないんですよ」「行こうって言い出す人がいなくて」
僕「じゃあ川に行って写真撮ろう」「涼しいし魚も釣れる」
僕「川魚は釣ってすぐ焼いて、塩と醤油で食べると最高に美味いのだ」
被「わーい!いきましょう!」「魚は別にいい」

という事で川へ行くことになりました。

山の中にある小さな川を目指します。自然の分厚さを感じる山の中には集落や民家が点在していて、人の暮らしている空気を感じながら車を走らせます。

街の中とは違う、自然の風景に人の暮らしがとけ込んでいる風景。山の中に住むのは良さもあるだろうし、大変さもありそうです。

夏の原風景

ふと、昔ながらの木造の家の縁側で、青い空と山の自然を眺めて過ごしたいなと思い始める。縁側では風鈴がチリンと鳴って、スイカと麦茶と蚊取り線香とうちわが置かれてあるのです。

今日も明日も明後日も特にすることはなくて、聞こえてくるのは蝉の声と川の流れる音。人はどこからかやって来て、やがてどこかへ帰っていく。

時間や人は流れても、日常の中でそれを意識することはなくて、ただ自然がいつも傍にある。日本の夏の原風景のようです。今では珍しいものかもしれません。

f:id:andtr:20170614215357j:plain

自然の中での時間

川に着くと親子連れが何組か来ていて、川遊びをしていました。山に囲まれた川はやはり涼しくて気持ちいいです。川の水は透明でさらさらと流れて、足をつけるとひんやりと冷たい。

被写体さんには自由に動いてもらいました。白のワンピースに川の光が微かに反射して、ファインダー越しに青白く映ります。

話をしながら撮るのもいいし、静かな表情を撮るのもいい。条件が揃っているとどんな瞬間もいいものです。表情も動きも作らず、感じるままに撮っていました。

シャッターを切り続けていると、一瞬、風の音が消えて、時間が止まったような感覚になります。ファインダーから顔を外し、カメラを構えるのを止めて後ろを振り向くと、さっきまでと変わらない、子供達の遊ぶ姿がありました。

僕「今、なにか言った?」
被「ううん、なんにも」

やがて川の流れる音と一緒に、時間も進み始めます。風は静かに緑の葉を揺らしていました。