フィルム写真と旅する

地方に暮らす写真好きの日常

一週間を生きるための物語

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仕事から帰った後や、学校から帰った後に、もうひとつの一日があるといい。部屋の中で、お気に入りの店で、いつもの広場で。朝早くから夜遅くまで働いた体を癒し、心を癒す物語があるといい。

多くの人が、もしくは自分だけが感じている気持ちを声に出したり、形で表したり出来る場所があるといい。一日の中に想像の時間があるといい。ぼんやりとしたイメージを還元できる機会があるといい。

楽しかった気持ちを、嫌だった思いを、好きだったことを、嫌いだった過去を。誰でもない誰かに、どこでもないどこかに置いておける。そんな場所があるといい。

物語の持つ力

物語には、思うようにいかない明日を突破する力がある。自分だけじゃなく、他の誰かの人生を変えてしまえる価値がある。そう信じています。

いつも想像するのは、今よりもっと自由になった明日の朝のこと。晴れの日差しがいつもより眩しく見えて、作りたいものを作るために、撮影やもの作りの予定が入っている。次のイメージの準備の為に旅に出て、飛んで行った先で気の済むまで過ごす。

休日が近づくと、朝は何をしようとか、どこへ行こうとか考え始めます。どんな写真を撮ろう、楽しいことを目一杯しよう。やりたかった事にたっぷりと時間を掛けよう。夜遅くまで活動しよう。映画を観よう。本も読もう。そんな生活を毎日に広げていきたいのです。

写真を撮って、ご飯を食べて、人と会って、人が楽しむためのものを作る。沢山夢に見るけど、現実に理想が近づいて行くから、今だって夢と地続きの一日。待ってろよ未来、という気持ちです。

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ひたすら映画を観ていた

大学生の頃や、社会人になりたての頃、ひとりで家にいる時は大体映画を観てました。観たいDVDを近所のTSUTAYAで借りてはひたすら。

暇で他にやりたい事を思いつかなかったというのもあるけど、映画を流していると部屋の中に自分以外の人の声がして、それが孤独を癒していたのかもしれません。あとは何故か洋画ばかり好んで観てました。

映画を観ている間は、物語に没頭していました。明日のことややらなければいけない事を忘れて、ただ物語の中の世界のことを想っていたのです。

登場人物の気持ちやストーリーを追う他に、この映画を撮ろうと考えた監督の気持ちや、作品の生まれた社会背景。関わったスタッフ達の感性。出演している役者の人生を想像するのが楽しくて、いい作品に出会ったあとはしばらくその世界から抜け出せないまま。

きっと誰もが孤独だった

心を込めて、力を込めて、時間をかけてじっくりと熟成して作られたように感じる作品は、いつまでも後に残って、何度も見返す作品となりました。他の誰かに語りたくなる作品には、それだけの理由があったのです。

いい物語に出会うと、不思議と生きる力が湧いてきます。時間を掛けて、こだわりを詰め込んで、こんなに好きな映画の作られた後の世界を、自分が生きていることにじんわりと嬉しくなるのです。

どこまで行っても一人だけど、好きな映画を作った人達や、物語の登場人物もきっと孤独を抱えながら一つの作品を作ったのだと想像すると、不思議と心は軽くなるのでした。