フィルム写真と旅する

地方に暮らす写真好きの日常

懐かしい風景、記憶の街

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お盆が過ぎて、夜は随分と涼しくなりました。部屋の中の方が暑いくらいです。各地で行われるお祭りやイベントの熱は穏やかに収まって、いつもの日常が戻って来ます。

今年の夏もたくさん写真を撮りました。機会があればもっと撮れたかもしれない。休みが多ければまだまだシャッターを切れたかもしれない。毎年同じようなことを思います。毎年これ以上もこれ以下も無かったなと思います。

お盆休みをひと区切りに、連休明けには今年度後半のことを考え始めます。年末年始までは何をしよう。どこへ行こう。新しい場所を訪れるかもしれない。初めましての人と知り合うかもしれない。久々の再開もあるかもしれない。きっと楽しいことが待っています。

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夏は早く過ぎて欲しいと願ってしまう。冬生まれだからでしょうか。名残惜しさがあるとすれば、地元の湿度を帯びた空が見られなくなること。光の輪郭を浮き立たせる緑の木々が冬に向かって行くこと。工場の見える港の風景が寂しくなってしまうこと。

今年は離れたくない夏の風景に出会うことが出来ました。夕暮れのほんのひと時の時間だったから、長い間その場所に浸ることは叶わなかったけど、出来るならずっと同じ場所でぼーっと空や海や街を眺めていたかった。

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小学校や中学校、高校までの時間を過ごした街で写真を撮っていると、ふと昔の友人やクラスメイト達は今何をやっているんだろうと考える時があります。仲の良かった友達、好きだった女の子、当時は怖かった先生達、殆ど顔を合わせる位だった同級生や部活の先輩のことまで。

昔の記憶から止まったままの人達。思い出の中だけで生きている人達。いま再開して顔を合わせた時、僕達は久々に会う人達に向けて何を話しかけるのでしょう。

きっと何も言えないな。写真撮ってるんだよ、仕事じゃなくて趣味で。いつもカメラ持ち歩いてさ。語ることと言えばそれくらいかもしれません。

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記憶を辿ると様々な日々が思い出されるけど、一人一人に特別何かを言いたい訳では無くて。好きだった風景は懐かしい風を感じる為の装置のようなもの。人も同じ、ただ健やかにそれぞれの時間を過ごしていて欲しい。

会わなくなった人達にも毎日の暮らしがあって、故郷を同じとするクラスメイト達はどのような人生を送っているのだろう。変わらない場所で、もしかしたら海の向こうの遠い国で。

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さよなら。名残惜しさは残るけど寂しくはない。ぽつぽつと帰っていく足取りが軽くなるから。人は変わる。僕も変わる。ここから見える風景はあまり変わらない。次の時間へ進もう。

沈む夕陽と懐かしい時間に、今日もシャッターを切りました。さよなら、また同じ場所で。