フィルム写真と旅する

地方に暮らす写真好きの日常

透明な箱庭

f:id:andtr:20180926063930j:plain

目の前の仕事や作業をこなしながら、次に作りたいもの、撮りたいもののイメージを固める日々です。精神的な支柱はこしらえたので、次は実際に手にとって肌で感じられる場所やものを作っていく段階です。

日中は写真以外の仕事をしていて、朝起きた後から夜までリズムの変わらない生活を繰り返してきました。その間に頭の中や心で見ている風景は随分と変わりました。目に見えている現実はそのまま、写真を元にしたイメージは少しずつ確実に移り変わりました。

今まで撮ってきた写真があって、これから撮りたい写真の世界があります。何かを写そうとした途端に何も写らなくなるのが写真だから、具体的なシーンやメッセージは持たないように。空気の流れるまま、風の吹くままを自由に泳いでいたい。

パズルのピースをひとつずつはめ込んで、最初はどんな絵柄に仕上がるのか分からなかったものが「こんな感じかな」と予想がつくくらいには見えてきました。好きな色や意外な色。ぼんやりとした線やはっきりとした輪郭。いつか心に感じたような光や湿度。全部忘れずに覚えていました。

f:id:andtr:20180926064021j:plain

記憶はひとつも取り零さずに持ったままでした。長いこと同じ場所に住んでいるけど、目の先に捉えているものはいつも一点でした。歩みを進めて、走り続けて、体が疲れても汗を振り切って、また前を向いて。

今は以前より周りに意識を配れるようになってきたのかもしれません。自分一人だと息切れを起こすのが早かったけど、写真を見て貰えたり、撮らせて貰える人が増えて体力がついてきた気がします。誰かの為にって考えたこと無かったけど、一人じゃないのはこんなにも頼もしい。

とは言えこれからも我儘に進んで行きます。次に作りたいもの、見たい風景の一点のみを見据えて。真っ直ぐにシンプルに透明な写真が好きです。そのような写真を撮る為に、より純度の高い生き方を選びます。

部屋から外に繋がるドアが見えていて、光の入る大きな窓もある。どこから出て行ってもいい。どこから戻って来てもいい。どこまで行ってもいい。いつ帰って来てもいい。

写真の持つ世界と物語性。今イメージに見えているのはその向こう側です。あと少しで何か掴めそうなのです。

【関連記事】