安藤写真事務所

地方に暮らす写真好きの日常

景色の見え方が変わる朝

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昨日まで見えていた景色とはどこか違って見える朝があります。街や人に注ぐ光が輝いて見える朝もあれば、肌に感じる空気や風がガラッと変わったような朝もあります。

1日また1日と日々は続いているので、変化を少しずつ感じ取ることは稀かもしれません。

どこかへ旅行をして家に帰った翌日。会いたい人と会って沢山話をした後。いい風景を目の前にカメラのシャッターを切った日。続いていく毎日の中で少しずつの積み重ねがあって、ある日一気に変化が訪れていた事に気づくのです。

1年前はどんな景色を目にしていたのだろう。2年前や3年前、もっと前は。人は毎日を生きて、前に進んだり立ち止まったりを繰り返しながら刻々と時間を過ごしています。

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道を歩いて、森を彷徨って、海へ潜って、空へ羽ばたいて。水と空気と食べ物とあとは光が必要です。生きていくには光が必要なのです。地面を照らす光、木々や葉を育てる光、水面に反射する光、空と雲の間から差す光。

カメラを持って、写真を撮って、思えばいつも光を探していました。朝の太陽が登った後、いいなあと思える風景を目の前にした時も、記憶に残したい人の表情や仕草を目にした時も。いつも光は傍にあって、時に空から顔を出したり、雲の間に隠れたりしていました。

光と空気。湿度と風。人と街。それらは写真の全てであり、一部でありました。全てのパーツの中央に、時に端っこに絶えず置かれてありました。毎日の暮らしの中で特に意識せず、当たり前にあるものこそ一番の素敵な被写体なのでした。

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数年前には見えなかったものが見えるようになって、過去に見えていたものは見えなくなったかもしれないけど、今心の中にあるものを確かに感じ取れるようになっていました。

例えば1年前に見た景色を、1日の中で感じたことを、今の自分や数ヶ月後の誰かが見た時にどう感じるのだろう。時間が過ぎた後にはどう映るのだろう。変化を知りたくて、変わらないものを知りたくて写真を撮って、日々目にしたものを記録しています。

いつまでも覚えていたいあの日の出来事。思い出と呼ぶには少し照れるけど、何かが変わるきっかけになった日のこと。特別な一日を境に、あの日以前と以後がある。そんな記憶はありませんか。

 

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