安藤写真事務所

地方に暮らす写真好きの日常

ありふれた物語

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行きたい場所へ行って、会いたい人に会って、撮りたい写真を撮る。

2019年の冬から夏にかけてそんなことを繰り返していると、いつの間にか心の中でひとつの物語が回り始めました。

始めは気がつかない位に小さく、何かが心の中にあるという認識でした。

お盆が明けて8月が終わろうとしていたある日。心に立ち込めた霧の中から、物語の端っこを掴んだ気がしたのです。

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現実と夢のちょうど間に、その物語はあります。

過ぎる夏と次の季節を前に、虫達が鳴いていました。その音を部屋で聴きながら、写真を編集したり、音楽を聴いたり、本を読んだり、何もしなかったりする内に、はっと気づくものがありました。

そこには都会も地方もない。国境も人種も存在しない。街と自然と、空と宇宙と自分の部屋。全てを包むようにまとまって、今日という時間を止めて、明日に向けて自由を放つ。

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どこまでも飛んでいける翼のような、地底を掘り進んでいく力のような、そんな物語のきっかけでした。

どうにかこのイメージを形にしたい。文章とは少し違うのです。映像にするにはまだ足りないのです。

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流れていく日々の中で、心の中にあるイメージは本物。その端っこを掴んだなら、大切に育てていきたい。写真や文章と同じように。

光と自然がある。人の住む街がある。街に生きる人々の気持ちがある。

表現したいのはそういうこと。どこにもありふれた、特別な物語。

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