安藤写真事務所

地方に暮らす写真好きの日常

人の残した物語

f:id:andtr:20191108195100j:plain

人の過ごした時間。街の残した時間。自然の中に流れる時間。

様々な場所に誰かの残した時間の一片が残っていて、最近はそういうものを探し歩いています。

生きている内に、沢山のものを目にしたい。だって生きているから。

初めて訪れる街を歩いても、何度も訪れた街を歩いても、新しい発見があるように生きていたい。頭は柔らかく、心も柔らかく。

f:id:andtr:20191108195202j:plain

物欲はあまり無くて、カメラは持っているのでフィルムが沢山欲しいとか、長時間歩いても痛くならない靴が欲しいとかそれくらい。

物よりはくつろげる場所が欲しい。自由な時間が欲しい。人と一緒に好きなものを作りたい。そういう場所や時間や機会を欲する気持ちの方が強いです。

物質的なモノを多く求めない僕たちにとって、いい時間を過ごすという事は特別輝いて見えるのかもしれません。

f:id:andtr:20191108195412j:plain

人として生きた証を残したい。誰かの息づきを感じていたい。心にいつも物語を流しておきたい。

映画、アニメ、音楽、小説。様々な創作物に人の物語は落とし込まれているけど、どこか遠くの世界のお話のよう。

今を生きる僕たちが求めているのは、いつもの生活の隣にあるような、傍で温もりを感じられて、どこか不思議さと奥行きを持った等身大の物語なのです。

f:id:andtr:20191108195511j:plain

身近にある世界の物語。変わらない風景の中に。見慣れた街のどこかに。生まれ育った故郷に物語の一片は残っています。

それはこれから先もずっと同じ場所にある訳ではなくて。

人の残した物語はいつか消えてしまうから。夢や記憶という曖昧な形となって、やがて失くなってしまうから。今見えているもの、感じていることを証として残したい。

f:id:andtr:20191108195556j:plain

物語を覚えている内に書き留めておきたい。人の役に立つかは分からない。

いつか誰かの残した物語が、他の誰かに特別な気持ちを伝えられるように。

ああ、そうか。だから写真を撮っているのだな。今をひとつでも多く残したくて。人の物語を記録しておきたくて。

【関連記事】