フィルム写真と旅する

地方に暮らす写真好きの日常

過ぎていく夏の日々

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こういうものがあったらいいなと思い、無いなら自分で作ってみようと手を動かしていたものが今、2018年の夏の終わりに動き始めました。

平成最後の夏なんて呼び方もあって、いつも通り過ごしても特別な時間を過ごしても数ヶ月の夏。今年は去年までより暑さの質が違っていた気がします。気温が高かった分、季節が終わりに向かうにつれ寂しさも増していくような。

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儚さ、切なさ、侘しさ。もう二度と戻らないものへの想い。記憶に刻んだ時間の為に僕たちが出来ることは、季節と共に気持ちを置いていくことです。今年の夏に見た景色を忘れないように、またいつかは忘れてしまうように夜になって、新しい朝がやって来る。

日々新しい風を見にまとって、新しい空気を体いっぱいに吸い込んで、目の前に現れては通り過ぎる今日という時間を精一杯に生きて、ああ楽しかったなあという気持ちいっぱいに布団に入ることが出来たら。毎日が充実して楽しいことばかりで、もしかしたら一生があっという間に感じられるかもしれません。

さあ、どこへ行こう。誰と会おう。何をしよう。どんな一日になるだろう。昨日までの続きだと感じていた今日は、本当はいつも新しい今日なのでした。何も変わらないと諦めていた自分は、本当は毎日新しい自分に生まれ変わっているのでした。

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どうして毎日生きているのかって、それは自分の言葉を見つける為です。誰のものでもない、自分一人の物語を残す為です。好きなものを吸い込んで、作って、残そうと思うのです。一日の日記を、一ヶ月のノートを、一年分の本にするように。

昨日まで見ていた自分はもう過去の自分。外へ出かける前に一緒にドアを開けたあの人も、ドアの向こう側で待っていたあの人も、今日にはもう新しい誰かに変わっています。

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大切な人の姿は変わらない。中身はいつも別の人。同じ人。記憶の中にあるあの子の思い出。いつまでも覚えている特別な日の光景。いつも通り過ごした夏の休日。海の匂い、風の匂い。

楽しい時間はあっという間に終わってしまうから、また次の時間を過ごすのが待ち遠しくなります。でも写真があれば全部残るんですよ。薄らいでいく記憶も、あの日の空気も写真は全部覚えています。魔法みたいでしょう。

今年の夏は海へ行きました。森へも行きました。美味しいものを食べました。夕暮れの中で写真を撮りました。全ていつものことのよう。全て特別な日のようでもあります。

今日見た光と大切な人の姿を記憶にしまい込んで。新しい風が吹く。さよなら、また明日。